ヒキタクニオ 『負の紋章』
ヒキタクニオ氏にしては、重くてドロドロしたテーマ。
犯罪被害者の家族と加害者の話は、やっぱりよくあるテーマといえるけれど。
これほどまでに、当事者の立場で考えると難しいテーマはないだろうし、だからこそ描き方もさまざま。
独特のテンポ感で読みやすいヒキタ氏の作品だけど、今回は違いましたね。
復讐のみを生きる糧として過ごす石渡、それに協力していく「オタク」の面々
「オタク」って、ひとくくりにしてはいけないのですよ。
決して後ろ指を指される存在ではない。
でも今回の事件は、加害者も「オタク」。
ネタバレだけど、こういう小説は、復讐を遂げてしまうものが少ないけれど、ヒキタ氏はさすがに違った。
考えさせられる。
そして涙が出てきた。
by pinfra | 2008-07-10 13:46 | read